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  「生活林」づくりとともに生態系の保全にもとりくんでいる

 解説
 ヒマラヤ保全協会・夏のスタディツアー2007報告書(注)のなかで、参加者の中から「人間中心の樹種選定ではなく、そこに豊かな生態系が戻ることも観点に入れた樹種選定がされるとより良いのではないかと思います」という意見がだされたので、私から以下のコメント・解説をした。

(注)「ヒマラヤ保全協会・夏のスタディツアー2007報告書」2007年9月23日、特定非営利活動法人ヒマラヤ保全協会編集・発行。

 生態系保全のためにはネパール・ハンノキ、ネパール・マツなどの在来種を選定し植樹しています。今回訪問した下ナルチャン村集落周辺では「生活林」をつくっていますが、上ナルチャン村から上部地域には広大な「自然林」(生態林)保全地区があり、ここでは生態系の全面的な保全にとりくんでいます。今回のツアーでは、下ナルチャン村のごくせまい範囲しか見ていません。「生活林」と「自然林」とは明確に区分され、集落周辺部に「生活林」をつくって、住民はそれのみを利用するようにし、上部に現存する「自然林」を住民によって破壊・後退されないようにし、生態系を保全しています。

 先にも触れましたように、ヒマラヤ保全協会保全協会は、「生活林づくり」とともに、ヒマラヤ本来の生態系保全にも取り組んでいます。その領域は、生活林エリアの100倍以上のエリアにおよんでいます。
 そもそも、ヒマラヤの森林破壊は、住民による「自然林」の伐採により次々に進行してきました。
 そこで、これ以上の「自然林」の破壊・後退をふせぐために、集落の周辺領域(集落の近隣エリア)に、住民の生活に役立つ高生産の「生活林」をつくり、植林をつづけながらそれを計画的に利用・管理・維持していく、つまり「生活林」の経営をすることにより、集落からある程度はなれた所にのこる「自然林」の木々を利用しなくてすむ(これ以上、自然木を伐採しなくてすむ)ようにする、というのが基本的なコンセプトです。
 このような仕組みにより、「生活林」をつくり経営することは、ヒマラヤ本来の「自然林」や生態系をまもることになるのです。私たちヒマラヤ保全協会は、「自然林」エリアにおいては外来種を植えず、外来種を駆除し、ヒマラヤ本来の生態系・自然を徹底的に保全するようにしています。
 

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