ネパール・ヒマラヤ・国際協力

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  保護林と生活林の間に一線をひき、役割分担を明確にしていく

「ネパールにある森林の20パーセントは既に国立公園や保護区に指定されている。これらの森の生態系を保護することは重要だが、いたずらに村の森を保護区とすることは控えなければならない。(中略)森林利用グループが管理する森では、一定の環境基準を遵守しているかぎり、伐採を含め森林利用を制限すべきではい」(注)。森を守ることと、人々の生活を守り村の発展をかんがえることは不可分であると主張されています。
 自然保護だけを目的にするのであれば保護区(保護林)を増やせばよいのですが、それだけだと、ヒマラヤ山村の人々は生活していけなくなってしまいます。彼らは、森林に大きく依存したライフスタイルをもっているからです。
 ヒマラヤで森林保全事業をすすめていく場合、保護林と利用できる森、このジレンマはどこかで解決しなければなりません。
 そのためには、両者の間のどこかに一線をひき、役割分担を明確にしていく必要があるでしょう。保護林では、生物多様性の保全、原種の保護といったことが目的になりますが、村人が利用できる森では、木をそだて森をまもってこそ自分たちの生活が改善されていくといった、利用してこそ まもられるという仕組みをつくることが必要です。
 結局、総合的・長期的にこの課題をとらえて、森林がこれ以上破壊・後退することなく増えていくようにすることがもとめられます。未来にむかって問題を解決していくことこそ重要です。
 ヒマラヤ保全協会では、一定のルールのもとで村人が利用できる森のことを「生活林」と呼んでいます。

(注)久保英之著『アジアの森と村人の権利 -ネパール・タイ・フィリピンの森を守る活動-』現代書館、2003年。

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