世界の山岳氷河の融解速度が加速している -UNEPが警鐘-
国連環境計画(UNEP)は、世界の山岳氷河の融解速度が加速していると警鐘をならしました。
「氷河量の減少は、05年が水当量換算で0.5メートルだったのに対し、06年は約1.4メートルとなっり、また、80年からの氷河量減少総量は水当量換算で10.5メートルを超える」(注)そうです。
水当量換算1メートルは、氷の厚さ1.1メートルに相当するので、80年以来、氷河は11.55メートル薄くなったことになります。
(注)「加速する山岳氷河の融解 -UNEPが警鐘-」緑の地球Vol.18-2、財団法人国際緑化推進センター。
「氷河量の減少は、05年が水当量換算で0.5メートルだったのに対し、06年は約1.4メートルとなっり、また、80年からの氷河量減少総量は水当量換算で10.5メートルを超える」(注)そうです。
水当量換算1メートルは、氷の厚さ1.1メートルに相当するので、80年以来、氷河は11.55メートル薄くなったことになります。
(注)「加速する山岳氷河の融解 -UNEPが警鐘-」緑の地球Vol.18-2、財団法人国際緑化推進センター。
日本の「里山」は「生活林づくり」のための参考になる
世界的なサル学者の河合雅雄さんは、「里山は簡単に言えば、人間に役立つように維持管理されている低山帯のことです。そして人間に役立つという部分は、その時代ごとに変化していきます」(注)と言い、里山の意義を時代に合わせて再形成し、森林を文化資源としてそだてることを主張しています。
日本の「里山」の取り組みは、ヒマラヤでの「生活林づくり」をすすめるうえでも大変参考になります。
(注)「日本人には森林そのものを楽しむ文化がない、遊んでいる里山を『遊び場』としての里山にしよう」ぐりーんもあ、2008春Vol.41、財団法人国土緑化推進機構。
日本の「里山」の取り組みは、ヒマラヤでの「生活林づくり」をすすめるうえでも大変参考になります。
(注)「日本人には森林そのものを楽しむ文化がない、遊んでいる里山を『遊び場』としての里山にしよう」ぐりーんもあ、2008春Vol.41、財団法人国土緑化推進機構。
ネパールにあたらしい風がふく -制憲選挙はマオイストが圧勝-
2008年4月10日のネパール制憲選挙に出馬して落選した宮原巍さん(74)の報告会が東京で開かれました。各政党の当選者数の報告(以下)があり、今回の選挙はネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)が圧勝、「ネパール会議派を率いる一族は全員落選し、統一共産党のトップ5人も落選。著名な政治家のほとんどが当選することはありませんでした。これを見るかぎりでは、新しい風が吹きました」との話でした。
■制憲議会党別当選者数
1 マオイスト 比例代表100 小選挙区120 合計220
2 ネパール会議派 比例代表073 小選挙区037 合計110
3 統一共産党 比例代表070 小選挙区033 合計103
4 マデシ人民フォーラム 比例代表022 小選挙区030 合計052
5 タマ・ロパ(タライ) 比例代表011 小選挙区009 合計020
6 その他 比例代表059 小選挙区011 合計068
合計 335 240 総計575
※このほかに、新内閣による氏名議席26があるので総議席数は601となります。
1 マオイスト 比例代表100 小選挙区120 合計220
2 ネパール会議派 比例代表073 小選挙区037 合計110
3 統一共産党 比例代表070 小選挙区033 合計103
4 マデシ人民フォーラム 比例代表022 小選挙区030 合計052
5 タマ・ロパ(タライ) 比例代表011 小選挙区009 合計020
6 その他 比例代表059 小選挙区011 合計068
合計 335 240 総計575
※このほかに、新内閣による氏名議席26があるので総議席数は601となります。
今後、国会ではあたらしい憲法を制定し、王制を廃止、共和制へ移行することを可決することになっています。マオイストは約4割ほどの勢力であるため、連立の相手をさがすことになりますが、統一共産党は参加しないことを表明しました。ネパール会議派は条件次第では参加の可能性を否定していません。
また、2〜2年半後には普通選挙を実施することになっています。宮原さんはふたたびチャレンジされるそうです。
地球の森林は毎年、九州・四国ほどの広さ約600万ヘクタールずつ消失している
財団法人緑の地球防衛基金発行『緑の地球新聞』が創刊100号をむかえました(注)。
その特集号で、「地球の森林は毎年、九州・四国ほどの広さ約600万ヘクタールずつ消失している」ことが記載され、今こそ、緑の保全についてじっくりかんがえ、行動するときであることが主張されています。
緑の保全についてじっくりかんがえるために近年重要視されているのが「地球温暖化」です。1997年に京都で決議された「京都議定書」により、1990年比で温室効果ガスを2008年から2012年の5年間で、先進国全体で5.2パーセント(日本は6パーセント)削減することが約束されました。温室効果ガス(二酸化炭素)は森林に吸収されるので、「地球温暖化」対策のために森林の果たす役割は非常に大きいです。
ヒマラヤ保全協会は、このような「かんがえ」も踏まえ、今後とも「行動」していきます。
(注)『緑の地球新聞』財団法人緑の地球防衛基金、2008年4月。
その特集号で、「地球の森林は毎年、九州・四国ほどの広さ約600万ヘクタールずつ消失している」ことが記載され、今こそ、緑の保全についてじっくりかんがえ、行動するときであることが主張されています。
緑の保全についてじっくりかんがえるために近年重要視されているのが「地球温暖化」です。1997年に京都で決議された「京都議定書」により、1990年比で温室効果ガスを2008年から2012年の5年間で、先進国全体で5.2パーセント(日本は6パーセント)削減することが約束されました。温室効果ガス(二酸化炭素)は森林に吸収されるので、「地球温暖化」対策のために森林の果たす役割は非常に大きいです。
ヒマラヤ保全協会は、このような「かんがえ」も踏まえ、今後とも「行動」していきます。
(注)『緑の地球新聞』財団法人緑の地球防衛基金、2008年4月。
ロープライン・プロジェクト、植林プロジェクトから生活林づくりプロジェクトへすすむ -森林保全事業のあゆみ-
ヒマラヤ保全協会のウェブサイトの「森林保全事業のあゆみ」(年表)を更新しました。ヒマラヤ保全協会は、1974年に、前身のヒマラヤ技術協力会を発足させて以来、おもに以下の6つのプロジェクトを順次おこなってきました。
(1)P&Rプロジェクト(パイプライン&ロープライン・プロジェクト)
(2)第2次シーカ・プロジェクト(シーカ谷)(第2次ロープライン・プロジェクト)
(3)アンナプルナ総合環境保全プロジェクト
(4)チトレ森林保全計画(チトレ村)
(5)植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)
(6)生活林づくりプロジェクト(ナルチャン・サリジャ地域)
上記各プロジェクトの実施期間を上にしめした表にまとめました。
2008年3月、12年間つづけてきた(5)「植林プロジェクト」(キバン-ナンギ地域)を終了しました。終了時事業評価により、これまでに約72万本を植樹、のべ約1500ヘクタールの面積(東京都の渋谷区に匹敵する面積)の森林を再生したことを確認しました。各村の苗畑は各村にハンドオーバーし、今後は、各村の森林委員会の指導のもと、住民みずからが森林の維持・管理・計画的利用をおこなっていくことになります。
ヒマラヤ保全協会のプロジェクト地域は、最初のシーカ村を起点とし、シーカ谷、キバン-ナンギ地域、ナルチャン村およびサリジャ村へと、拡大また移動してきました。現在は、カリガンダキ側西岸域に新プロジェクトをおこすべく現地調査をおこなっています。
プロジェクト地域の移動とともに、プロジェクトの内容(方法)も、第1期「ロープライン・プロジェクト」、第2期「植林プロジェクト」、第3期「生活林づくりプロジェクト」と変化してきました。
これからは、現在進行中の(6)「生活林プロジェクト」を着実に推進し、住民の生活基盤を形成する「生活林」を積極的につくりだし、住民が、今まで以上に主体的に参加できる森林保全・環境保全活動を一層すすめていきたいとおもっています。
表:プロジェクト実施期間一覧
2007年度の活動と今年の抱負をのべる -ヒマラヤの自然をまもる活動-
解説
株式会社オーエムシーカードは、同社の「地球にやさしいカード」を通して、ヒマラヤ保全協会の「ヒマラヤの自然を守る」活動を長年支援しています。「地球にやさしいカード」は、カード利用額の0.5パーセントを、お客様の負担なしで、株式会社オーエムシーカードが、ヒマラヤ保全事業のために寄付をする「社会貢献型クレジットカード」です。社会貢献型クレジットカードの寄付額としては業界最大です。
同社は、本年も、そのウェブサイトをリニューアルすることになったというので、先方の質問にこたえる形で下記の原稿を提出しました。
株式会社オーエムシーカードは、同社の「地球にやさしいカード」を通して、ヒマラヤ保全協会の「ヒマラヤの自然を守る」活動を長年支援しています。「地球にやさしいカード」は、カード利用額の0.5パーセントを、お客様の負担なしで、株式会社オーエムシーカードが、ヒマラヤ保全事業のために寄付をする「社会貢献型クレジットカード」です。社会貢献型クレジットカードの寄付額としては業界最大です。
同社は、本年も、そのウェブサイトをリニューアルすることになったというので、先方の質問にこたえる形で下記の原稿を提出しました。
A. 昨年1年間の目標、活動テーマをおしえてください。ヒマラヤ保全協会は、「ヒマラヤの自然をまもる活動」として森林再生・森林保全を中心とした自然環境保全活動をおこない、ヒマラヤ地域の緑化、水源確保、野生動物の保護、土砂災害の防止などとともに、森林資源の供給により地域住民の生活をうるおすことをめざしてプロジェクトをすすめています。
昨年の活動テーマは「生活林づくり」、目標植樹本数は5万本でした(注)。
「生活林」とは、単に木材を生産するだけではなく、薪・家畜飼料・食品・薬品の生産、土壌保全機能など、住民が生活していくうえで重要な機能をかねそなえた森林であり、住民の最も重要な生活基盤となる森林のことです。森林は本来、木材などの生産の場であるとともに、下草の刈り場や肥料となる落ち葉集めの場であり、また、田畑や飲料水の水源でもありました。公益的機能を失わずに森林資源を開発できる「生活林」をつくることにより、自然環境と住民の生活を調和させ、森林と人間とが持続的に共存していく道をひらいていくことができます。
B. 昨年1年間の活動内容を具体的におしえてください。
ネパール中西部において、現地住民と協力して、5万5千本(注)の苗木をそだて、植樹しました。ハンノキやマツを中心に、飼料木や果樹も植えました。苗畑を持続的に運営し、永続的に森林保全ができるように、村に森林委員会を組織し、苗畑管理人を養成し、苗木育成、植樹、森林管理、森林経営などに関するワークショップもおこないました。
また、1996年に開始した植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)を終了し、これまでに約72万本を植樹、のべ約1500ヘクタールの面積(東京都の渋谷区に匹敵する面積)の森林を再生したことを確認しました。
C. 昨年の成果、それを踏まえた今年の抱負をおしえてください。
ヒマラヤ地域の緑化、水源確保、野生動物の保護、土砂災害の防止などがすすんで自然環境が保全されるとともに、森林資源の供給により地域住民の生活がうるおうという成果が生じました。
私たちの活動は、環境保全、森林利用、地域の活性化を有機的にむすびつけ、環境保全と環境利用を同時に推進するので、森林と人間との間の循環システムを構築し、自然環境と地域社会を調和させる効果があります。
ヒマラヤの山岳民族は、森林の中に入り込んだ生活をしており、その暮らしは森林資源に高度に依存しています。そのため、単に木を生産するだけではなく、地域住民の生活を積極的にうるおす「生活林づくりプロジェクト」は、森林保全活動に地域住民が主体的に参加する仕組みでもあります。これは、住民みずからがみずからの森をそだてるといった取り組みであり、住民が主体的に参加しながら、持続的継続的に、自然環境を再生・保全していくプロセスです。
ヒマラヤ保全協会は、これまでの成果を踏まえ、この「生活林づくりプロジェクト」を今後とも着実にすすめ、住民が主体になった環境保全活動をうみだし、ヒマラヤの自然をまもる活動をさらに推進していきます。
写真(左上):植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)により森林が再生された事業地(シーカ谷)
写真(右下):苗畑と苗畑管理人(ナルチャン村)
(注)「植林プロジェクト」(キバン-ナンギ地域、既存プロジェクト)と「生活林づくりプロジェクト」(ナルチャン・サリジャ地域、新プロジェクト)の合計。
> ご協力をお願いします!オーエムシーカード「ヒマラヤの自然を守る」申込み
2008年3月、「植林プロジェクト」(キバン-ナンギ)地域を終了する
1990年代、ネパール・ヒマラヤの山村では、人口急増とともに住民による森林伐採がすすみ、土壌流出、土砂災害の多発、水質悪化、野生動植物の減少などがひきおこされ、ヒマラヤの自然環境は急激に破壊されていました。そこで、森林破壊が著しいキバン-ナンギ地域において森林を再生し保全する活動がはじめられました。
空からヒマラヤをながめると、今や大半の森林が消失してしまっていることに気づかされます。世界の屋根・ヒマラヤは、世界最大の標高差による幅広い気候帯をもち、地球上で最も多様性に富んだ自然環境を生みだしています。このヒマラヤの貴重な大自然を人類の財産としてまもっていくことは、私たちに課された大きな使命なのです。
ヒマラヤ保全協会では、ヒマラヤの山村において現地住民の協力のもと、1996年から、苗畑での苗木の生産、ボランティアによる植樹をおこない、12年間で、723,718本を植樹、約1,500ha(東京都の渋谷区に匹敵する面積)の森林を回復させました。12年間の植樹実績は下記の通りです。
1996年 49,594本
1997年 71,703本
1998年 76,813本
1999年 72,395本
2000年 80,341本
2001年 45,312本
2002年 47,074本
2003年 47,729本
2004年 51,611本
2005年 50,463本
2006年 73,252本
2007年 57,431本
合 計 723,718本
この活動を通じて、現地住民にとって森林を保全し自然環境を守ることは、自分たちの生活を豊かにするという理解を促進し、この住民の大きな意識改革により、現地住民と協力して事業をすすめれば、自然を再生させ、かつ持続的な環境保全が実現できることを示すことができました。
空からヒマラヤをながめると、今や大半の森林が消失してしまっていることに気づかされます。世界の屋根・ヒマラヤは、世界最大の標高差による幅広い気候帯をもち、地球上で最も多様性に富んだ自然環境を生みだしています。このヒマラヤの貴重な大自然を人類の財産としてまもっていくことは、私たちに課された大きな使命なのです。
ヒマラヤ保全協会では、ヒマラヤの山村において現地住民の協力のもと、1996年から、苗畑での苗木の生産、ボランティアによる植樹をおこない、12年間で、723,718本を植樹、約1,500ha(東京都の渋谷区に匹敵する面積)の森林を回復させました。12年間の植樹実績は下記の通りです。
1996年 49,594本
1997年 71,703本
1998年 76,813本
1999年 72,395本
2000年 80,341本
2001年 45,312本
2002年 47,074本
2003年 47,729本
2004年 51,611本
2005年 50,463本
2006年 73,252本
2007年 57,431本
合 計 723,718本
この活動を通じて、現地住民にとって森林を保全し自然環境を守ることは、自分たちの生活を豊かにするという理解を促進し、この住民の大きな意識改革により、現地住民と協力して事業をすすめれば、自然を再生させ、かつ持続的な環境保全が実現できることを示すことができました。
類推や類比によって環境を読む
ヒマラヤ保全協会は自然環境の保全活動にとりくんでいます。この仕事では、環境をいかに「読む」かということが非常に重要になってきます。
環境を読むということを理解するためには、人類が環境をどのようにしてとらえてきたか、その歴史を知るのがよいです。
人類は、最初は、環境を擬人化して読むことにより、自然を理解しはじめました。つまり、人間と自然をくらべて似ているところに注目し、自然環境を推し量ったのです。この過程では、類比力をはたらかせて環境を人間にたとえ、人間のように環境を読みました。それがアニミズムになり、自然に神を読み取るということになりました。
その後、次第に自然環境にはルールがあることがわかるようになり、サイエンスが生まれてきました。
このように、自然環境を理解するうえでも類比あるいは類推という方法は基礎的な方法として必要であり、この能力を高めることが環境を理解するうえで重要です。
環境を読むということを理解するためには、人類が環境をどのようにしてとらえてきたか、その歴史を知るのがよいです。
人類は、最初は、環境を擬人化して読むことにより、自然を理解しはじめました。つまり、人間と自然をくらべて似ているところに注目し、自然環境を推し量ったのです。この過程では、類比力をはたらかせて環境を人間にたとえ、人間のように環境を読みました。それがアニミズムになり、自然に神を読み取るということになりました。
その後、次第に自然環境にはルールがあることがわかるようになり、サイエンスが生まれてきました。
このように、自然環境を理解するうえでも類比あるいは類推という方法は基礎的な方法として必要であり、この能力を高めることが環境を理解するうえで重要です。
「理解」は、類似な現象をおもいついた時に生ずる
アリストテレスは、「理解」という現象は、すでに知っていることと類似な現象をおもいついたときに生ずるとかんがえていました。
参画型アプローチでつかう情報処理技術のKJ法では、似た情報をあつめるという作業をもっとも重視します。これは類推あるいは類比という方法であり、アリストテレスがまさに主張したことを具体的に実践することにほかなりません。
何と何が似ているかをしっかりつかむ、あるいはどこかに類似な要素をみつける類推や類比法は、記憶や連想といったことにつながっていきます。
KJ法では、このようなことを、技術の実践、具体的な作業としてとりくむことにより身につけられるようにしています。
参画型アプローチでつかう情報処理技術のKJ法では、似た情報をあつめるという作業をもっとも重視します。これは類推あるいは類比という方法であり、アリストテレスがまさに主張したことを具体的に実践することにほかなりません。
何と何が似ているかをしっかりつかむ、あるいはどこかに類似な要素をみつける類推や類比法は、記憶や連想といったことにつながっていきます。
KJ法では、このようなことを、技術の実践、具体的な作業としてとりくむことにより身につけられるようにしています。
学校の校舎改築よりも、人々の生活基盤を構築・整備すべきである
私たちがネパールの山村をあるいていると、学校の校舎を改築してほしいという要請うけることがよくあります。日本国内の支援団体の中にも、ネパールで学校の校舎をつくりたいという団体がよくあります。
しかし、私たちは学校の校舎の建設や改築はおこないません。それは、校舎がいくらピカピカになっても、めぐまれない子供たちが学校に行けるようになるわけでもなく、小学校高学年の就学率が高くなるわけでもないからです。
ネパールの山村には石積みづくりの伝統があり、この伝統技術をつかえば、村人が自力で立派な校舎をつくることができます。それは、地元の建材をつかっているためコストもそれほどかからず、できあがった校舎は景観にもマッチしています。
このようなハードウェアは村人が自力でつくるのがよく、モダンな建物を短絡的につくってあげない方がよいです。
その村の発展のためには何が必要なのか。その真のニーズをえぐりだすことこそが大切です。私たちは、ネパール山村においては、人々の生活基盤を構築・整備することの方が、学校の校舎よりも重要であるという事例を数多く確認しています。
しかし、私たちは学校の校舎の建設や改築はおこないません。それは、校舎がいくらピカピカになっても、めぐまれない子供たちが学校に行けるようになるわけでもなく、小学校高学年の就学率が高くなるわけでもないからです。
ネパールの山村には石積みづくりの伝統があり、この伝統技術をつかえば、村人が自力で立派な校舎をつくることができます。それは、地元の建材をつかっているためコストもそれほどかからず、できあがった校舎は景観にもマッチしています。
このようなハードウェアは村人が自力でつくるのがよく、モダンな建物を短絡的につくってあげない方がよいです。
その村の発展のためには何が必要なのか。その真のニーズをえぐりだすことこそが大切です。私たちは、ネパール山村においては、人々の生活基盤を構築・整備することの方が、学校の校舎よりも重要であるという事例を数多く確認しています。
最初から自立プログラムをつくっておく必要がある -里親プログラム-
ネパールで教育支援・子供支援をおこなっているNGOはたくさんあり、その中には、日本人がネパール人の子供の"里親"になり、子供の育成を支援する「里親プログラム」をおこなっているところもあります。最近、その関係者から次のような言葉を聞きました。
子供たちの支援は、その子が大人になったらやめなくてはなりません。きりがないです。大人になってからどうやって食っていくかは、その子が自分で決めなくてはなりません。
このような支援プログラムは、最初から、自立プログラムを組んでおくことが必要でしょう。
「長年、ネパール人の子供たちを支援してきて、お陰様で、大学まで卒業することができました。ところがその後、『これからも支援を継続してほしい。やめないでほしい。私たちにはお金がなく、これから暮らしていくことができません』という、支援継続の要請をうけました。私たち日本人はいったいいつまで送金をつづければよいのでしょうか」
子供たちの支援は、その子が大人になったらやめなくてはなりません。きりがないです。大人になってからどうやって食っていくかは、その子が自分で決めなくてはなりません。
このような支援プログラムは、最初から、自立プログラムを組んでおくことが必要でしょう。
ベガ村で、新プロジェクト開始にむけて第1回ミーティングをひらく、
ヒマラヤ保全協会は数年前から、カリガンダキ川西岸域で新プロジェクトを開始するための準備をすすめており、このたび、1月の予備調査をふまえ、現地関係者との協議を開始しました。カリガンダキ川西岸域の新プロジェクトの第一候補地はベガ村です。ここは、マガールの人々がくらしています。今回は第1回目のミーティングをおこない、村の現状や問題点について話し合いました(注)。
写真:ベガ村でのミーティング
(注)ミーティング出席者は以下の通りです。
Dhan Kumar Phagami
Binod Phagami
Rimendra Chochangi
Kamal Garbuja
Ganga Bahadur B. K.
Ishwor Phagami
Om Prasad Garbuja
Deu Bahadur Garbuja
Om Bahadur Garbuja
Tara Devi Garbuja
Purna Bahadur Pun
Ke Bahadur Pun
Dil Prasad Phagami
Durga Prasad Garbuja
Par Bahadur B. K.
Ram Bahadur Garbuja
Lal Bahadur Pun
Man Bahadur Garbuja
Kha Bahadur Purja
Kesh Bahadur Nepali
Thak Bahadur Pun
Binod Phagami
Rimendra Chochangi
Kamal Garbuja
Ganga Bahadur B. K.
Ishwor Phagami
Om Prasad Garbuja
Deu Bahadur Garbuja
Om Bahadur Garbuja
Tara Devi Garbuja
Purna Bahadur Pun
Ke Bahadur Pun
Dil Prasad Phagami
Durga Prasad Garbuja
Par Bahadur B. K.
Ram Bahadur Garbuja
Lal Bahadur Pun
Man Bahadur Garbuja
Kha Bahadur Purja
Kesh Bahadur Nepali
Thak Bahadur Pun
山の上に村がひらける -新プロジェクト候補地・ベガ-
カリガンダキ川沿いのベグコーラの谷底から急斜面を一気にのぼっていって、中間山地の尾根筋にでると、人口2300人のベガ村がひろがっています。山の上に村がひろがっている。ヒマラヤならではの光景です。ヒマラヤ山脈の河谷は大変ふかくきりこまれており、その谷底からあがってくると、山の上の世界はまったくの別世界です。地底の世界から天の国へ、そんな気持ちになることができます。
もし、ここに、グローバル経済化の波がおそってこなかったなら、人々は、自給自足の循環型生活をまもり、平和でゆたかな暮らしをいつまでもつづけることができたでしょう。
しかし時代はうつりかわります。
ヒマラヤ保全協会は、ネパール中西部カリガンダキ川西岸域において、あらたな森林・環境保全プロジェクトを開始するために、現地調査を開始しました。
写真:ベガ村の入り口
※ベガ村(Bega Village Development Comittee)は、ベガ6地区、バドゥック2地区、ティプラン1地区に区分されています。
※当日は、ベガ村在住の、ダンクマールさん、キショワールさん、ビムさんにご案内いただきました。
植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)を終了する
12年間にわたってつづけてきた「植林プロジェクト(キバン-ナンギ地域)」は、2008年3月をもってすべて終了し、苗畑を各村にハンドオーバーしました。今回は、終了時事業評価のためにキバン村を訪問しました。森林は確実に再生され、今後は、村の森林委員会の指導のもとで、村人みずからが、森林を維持・管理し、計画的に利用していくことができることを確認しました。村人からの感謝のことばです。
「ヒマラヤ保全協会の皆さんには、本当に長い間ご支援をいただきましてありがとうございました。ご覧の通り、見事な森林がよみがえりました。
これで、薪、家畜の餌、堆肥、材木が集落のちかくで容易にとれるようになりました。森をつくりながら、同時にそれを利用するといったサイクルができました。また、水源の涵養もでき、農業用水も確保できます。土壌浸食や土砂崩れも少なくなりました。私たちの生活は高度に森林に依存した自給自足生活であるため、森を再生することは生活基盤をつくることに他なりません。
これからは、この森がふたたび後退することのないよう、私たちがしっかり管理し、まもっていきます。住民は、村のルールをまもって、時期と区域を決めて計画的に間伐・枝打ちをおこなうことになっています。また、苗畑は、その役割を十分果たしましたので、規模を大幅に縮小し、必要な分だけを栽培することにします」
写真:森林委員(ジャス=バハドゥール=ティリザ=プンさん、サン=バハドゥール=ガルブザ=プンさん、ジュム=バハドゥール=ブドゥザ=プンさん、キバン村の苗畑にて、背後はよみがえった森林)





